尾道・はら英語教室 原 沙織さんインタビュー

「英語ができるようになって、自信をつけてほしい」「もっと積極的に発言できたらいいのに」…子どもの英語学習を見守る中で、そんな願いを持つ保護者は少なくないだろう。
けれど、子どもの成長は試験の結果だけで測れるものではないし、人前で話すことが、自分をアピールする唯一の方法だとは限らない。「はら英語教室」では、生徒が自分なりの表現を模索しながら力をつけていくことを大切にしている。
すぐに見える成果を急がず、学びを続けるにはどうしたらいいのか。教室で大切にしている考え方を聞いた。
「60%くらい好きかもしれない」くらいで続けられるのが一番かな講師 原 沙織
——はら英語教室では、どのようなことを学べますか。
小学生から高校生まで、一貫して英語を学べる教室です。英語の入り口となるABCから大学受験まで、幅広くサポートしています。
私はもともと学習塾で、中高一貫校の生徒を対象に、大学受験を中心とした指導をしていました。自分の教室を始めた頃、子どもがまだ0歳だったこともあって、幼児の英語教育にも興味を持つようになったんです。その後、小さな子どもたちを教える機会にも恵まれ、今の形になりました。
目指しているのは、面白く、楽しく、それでいて深く学べる場所です。英語に親しむことと、受験に向けて力をつけること、その両方を大切にしたいと思っています。
——英語が嫌いだという子や、発言に苦手意識がある子もいますか。
いろいろな子がいます。自信があるので、もっとできるようになりたいと前向きな子もいますし、「できないかもしれない」と思って、声が小さくなる子もいます。
保護者の方から見ると、「もう少し頑張ってくれたら…」と感じることもあるかもしれません。でも、最初からすぐに目に見える変化が出なくても大丈夫です。学びには時間がかかると思って来ていただきたいですね。
急に何かが大きく変わるというより、じわじわと変化していく。何かが変わったと感じるまで、一年くらいかかることもあると思っています。
——長く続けるためには、強いやる気が必要なのでしょうか。
「本人のやる気が大事」と思われがちですが、個人的には「すごく頑張るぞ!」と気負わなくてもいいと思っています。「今日は頑張る」「今日はもう無理」と大きく揺れるより、ある程度同じペースで続けてほしいですね。
感覚としては、「60%くらい好きかもしれない」くらいで続けられるのが一番かな、と。気づいたときに、大好きとまでは言わなくても、嫌いではなくなっている。それもいいと思うんです。そのための習慣化や環境づくりには工夫をしています。

——子どもにもっと積極的になってほしいとき、保護者はどう考えるとよいでしょうか。
「積極的になってほしい」という相談には、「やる気が見たい」「人前で発言できるようになってほしい」という気持ちが含まれていることがよくあります。でも、最終的に何をどのようにやるのかはその子が決めることです。
こちらにできるのは、信じて働きかけ続けること。自分の考えを外に出す方法は、話すことだけではありません。書くことでもいいですし、英語で書けなければ日本語でもいい。絵やジェスチャーで表すことだってできます。
何らかの方法で、「私はここにいますよ」と表現できるようにはしてあげたいんです。その子なりに表現できているなら、方法をあまり限定せずに見てあげてほしいと思います。「自分がこれをやったんだ」と一つの成果が見えたとき、きっと「もう少しやってみよう」という気持ちが出てくるはずです。
——生徒によって、接し方も変わりますか。
変わりますね。会話をしたり、いろいろ質問したりする中で興味を広げていく子もいます。一方で、早く本題に入ってほしい、成績につながることを効率よく教えてほしいという子もいます。
例えば後者の子に、こちらから無理に話を広げようとしても、求めていることとは違うんですよね。その子が知りたいことに、短い時間で分かりやすく、過不足なく答える。そうすると信頼してくれるのではないかと思います。
気持ちがいつも顔に出るとは限りません。よく話すか、笑顔を見せるかだけでは分からないこともあるので、その子にとって何が一番なのかを考えたいですね。

——授業では、どのような学び方を大切にしていますか。
対面でのやり取りを中心にしています。タブレットやスマートフォンは基本的には使わず、動画や画像も必要な範囲にとどめて、できるだけ言葉で説明するようにしています。高校生など、場合によって使うことはあります。
動画にはインパクトがありますが、それを見て終わってしまうこともあります。言葉でやり取りする授業では、生徒自身も何かを表現することになります。少人数なので、全員に順番が回ってきます。
もう一つ大切にしたいのが、その場の空気感です。同じ講師でも、集まるメンバーによって教室の雰囲気は変わります。自分もその空間をつくっている一人なのだと、どの年齢の子にも感じてほしいと思っています。
——先生自身が、授業でうれしいと感じるのはどんなときですか。
生徒の反応がよく、授業がうまく進んだときですね。
子どもたちは学校が終わってから来るので、毎回同じ状態ではありません。その日によって、いろいろあります。みんなの調子と授業の流れがぴったり合ったときは、やっぱりうれしいです。
反対に、「今日はうまくいかなかったな」という日もあります。いつも同じにはいかないですね。

——子どもたちには、英語を通じてどんな力を身につけてほしいですか。
将来、英語が必要になったときに、もう一度学び始められる土台をつくってあげたいです。
泳ぎ方やピアノのように、一度学んだことは、しばらく離れて忘れてしまっても、必要になったときに思い出せる部分があると思います。「あのとき、こんなことをしたな」「もう一度試してみようかな」と思える経験を残したいですね。
もちろん、受験もうまくいってほしいです。そのための勉強の中にも、面白さを見つけながら進んでほしいと思っています。
何年後であっても、「英語は好きだった」「楽しかったから、またやってみよう」と思ってもらえたらうれしい。英語の学習が、いい記憶になっていてほしいんです。
——保護者自身が英語を学び直すなら、何から始めるとよいですか。
まずは時間の確保ですね。大人は「時間ができたらやろう」と思っていても、なかなか時間ができません。
今の生活の中にあることを一つ減らして、そこに英語を学ぶ時間を入れる。何をするにしても時間は必要なので、まずはその時間をつくることだと思います。
大きな声で答えることも、静かに書いて伝えることも、自分を表す方法の一つ。教室では、表に見える反応の違いを、その子に合う教え方を考える手がかりにしている。
すぐには成果が見えない日も、思うように進まない日もある。その時間を含めて、英語と長く付き合っていけるように。はら英語教室が大切にするのは、一人ひとりを見守りながら、学びを続けるための土台を育てることだ。
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